お風呂やタライの水あそびはどんなところが楽しい?
お風呂やタライでの水あそびは、むずかしい準備をしなくても、すぐに始められるのが大きな良さです。ベランダや庭がなくても、家のお風呂場があれば楽しめますし、タライや大きめの洗面器があれば、ベランダや玄関先でもちいさな水あそびコーナーをつくることができます。
家庭の水あそびは、プールや海とちがって、少ない人数でもしっかり楽しめます。兄弟だけ、親子だけ、という少人数でも十分に盛り上がりますし、人が多すぎないぶん、ゆっくりと子どもの表情を見ながら遊べるのも安心できるポイントです。
また、天気に左右されにくいのもお風呂水あそびのうれしい点です。大きなプールに行く日は、どうしても晴れた日をねらうことになりますが、お風呂やタライなら、少し肌寒い日や曇りの日でも、お湯を少しだけまぜることで、あたたかく楽しむことができます。帰り道の心配もないので、子どもが「寒くなった」と言ったらすぐに切り上げられるのも安心です。
さらに、日常の延長でできるのも大きなメリットです。お風呂での水あそびなら、遊びおわったあと、そのまま体を洗ってしまえば、いつものお風呂タイムとして自然にしめくくれます。特別なイベントというより、「少し時間に余裕がある日にできる、ちょっと特別なお風呂」として取り入れやすいのが魅力です。
もう一つの良さは、子どものペースに合わせやすいことです。大きなプールでは、どうしても周りに合わせて動かなければいけない場面が出てきますが、家のお風呂やタライでの水あそびなら、子どもが少しこわがっているときは、ゆっくり水にさわるところから始めることができます。元気いっぱいの日には、いつもより多めに水をはったり、遊びの種類をふやしたりと、その日の様子に合わせた工夫もしやすいです。
このように、お風呂やタライの水あそびは、「準備がかんたん」「少人数でも楽しめる」「天気に左右されにくい」「子どものペースに合わせやすい」といった、忙しい家庭にもやさしい特徴をたくさん持っています。
お風呂やタライの水あそびはどんな家庭に向いていますか?
お風呂やタライの水あそびは、外出の時間をとるのがむずかしい家庭や、まだ人が多い場所に連れて行くのが心配な家庭に向いています。また、きょうだいで年齢差があり、同じプールに行きづらい場合にも、お風呂ならそれぞれのペースで楽しみやすいです。家事や仕事でなかなか遠出できないときの、ちょっとした気分転換としても取り入れやすい遊び方です。
水あそび前に必ずチェックしたい安全ルール
水あそびを楽しむうえで、いちばん大切なのは安全です。お風呂やタライでの水あそびは、家の中や身近な場所で行うぶん、つい「大丈夫だろう」と油断しやすい面もあります。あらかじめ安全のポイントをおさえておくことで、安心して遊びに集中できるようになります。
まず、いちばん重要なのは、大人が必ずそばで見守ることです。短い時間でも、目を離さないことが基本です。スマートフォンをさわったり、別の部屋に行ったりせず、子どもの近くに座って様子を見ておくと安心です。きょうだいがいても、「上の子に任せる」形ではなく、大人が必ず一人はそばにいるようにしましょう。
次に、水の深さの目安です。タライやお風呂での水あそびでは、「すわったときに、おなかより上まで水がこないくらい」を一つの目安にするとよいでしょう。子どもが立ち上がったときに、ひざ下くらいの深さにおさえておくと、バシャバシャ遊んでも、顔が急に水につかりにくくなります。はじめての水あそびや、まだ水になれていない子どもの場合は、さらに浅めからスタートして、様子を見ながら少しずつ水を足していくと安心です。
床がすべりやすい点にも注意が必要です。浴室の床は、シャンプーや石けんが残っていると特にすべりやすくなります。水あそびの前には、一度ざっと床を流しておき、できればすべりにくいマットをしいておくと安全です。タライを部屋の中やベランダに出す場合も、下にバスマットや古いタオルを敷いておくと、床がぬれにくく、すべりにくさも少し改善できます。
体があつくなりすぎないようにする工夫も大切です。お湯を使う場合は、温度をぬるめにして、長い時間あそび続けないようにしましょう。外でタライ遊びをするときは、帽子をかぶったり、日かげの場所にタライを置いたりして、直射日光をさけるようにします。ときどき「のどはかわいていないかな」「顔色はどうかな」と声をかけて、水分補給の時間をつくると安心です。
道具の大きさや形にも気を配りましょう。小さすぎるおもちゃは口に入れてしまう心配がありますし、角がとがっている物はケガのもとになります。特に0〜3歳ごろまでは、口に入れても飲みこみにくい大きさの物を選び、ふちがなめらかな道具を中心に使うとよいでしょう。遊びの最中に壊れてしまいそうな物も、あらかじめ除いておくと安心です。
最後に、遊びを始める前に守りたい約束を、子どもといっしょに確認しておくことも大切です。「走らない」「お友だちに水をかけすぎない」「道具を投げない」など、簡単な言葉で伝えておき、守れたときにはしっかりほめてあげると、子ども自身も意識して遊べるようになります。
お風呂の水あそびは何歳ごろから安全に楽しめますか?
目安としては、一人でおすわりが安定してからのほうが、安全に楽しみやすくなります。ただし、年齢にかかわらず、大人がすぐ手を伸ばせる距離で見守ることが大前提です。まだ月齢が小さいうちは、ひざの上で足だけちゃぷちゃぷさせるなど、無理のない範囲から始めるとよいでしょう。
水あそびに使える道具と準備のコツ
水あそびをスムーズに楽しむためには、遊びやすい道具と、事前の準備がポイントになります。特別なグッズがなくても、家にあるもので十分工夫できますが、選び方のコツを知っておくと、より安全で楽しく遊べます。
まず、ベースとなるのが水をためる容器です。お風呂で遊ぶときは浴槽のほかに、洗い場にタライや大きめの洗面器を置くだけでも十分楽しめます。ベランダや庭先で遊ぶときは、たっぷり水を入れるよりも、少なめの水で遊べる浅めのタライが扱いやすく、片付けもしやすいです。
水をすくったり、うつしたりする道具もあると遊びの幅が広がります。プラスチックのコップや紙コップ、小さめのボウルやお皿など、軽くて持ちやすい物がおすすめです。ペットボトルに穴をあけた「手作りじょうろ」も人気の道具です。ふたをしっかり閉めておけば、水を入れてひっくり返すだけで、シャワーのように水が出てきます。
水鉄砲やじょうろなど、水を飛ばす道具も、遊び方を決めて使えば楽しいアイテムになります。お風呂の壁や的に向かってねらう遊びに使ったり、タライの中のペットボトルを倒すゲームに使ったりすると、顔に水をかけにくくなります。人に向けて使うとケンカになりやすいので、あらかじめ「ねらっていい場所」を決めておきましょう。
次の表は、水あそびに使いやすい道具と、その特徴をまとめたものです。
| 道具名 | 向いている年齢の目安 | できる遊びの例 | 注意したいポイント |
|---|---|---|---|
| タライ・大きめ洗面器 | 幅広い年齢 | 水をためてちゃぷちゃぷ遊ぶ、足湯ごっこ | ふちでものらないよう声かけをする |
| ペットボトル | 2歳ごろから | 水を入れて流す、ごっこ遊びの道具 | ふたをしっかり閉めておく |
| コップ・ボウル | 1歳ごろから | 水をすくう、移す、色水遊び | かじって割れない素材をえらぶ |
| 水鉄砲・じょうろ | 3歳ごろから | 的当てゲーム、水をはこぶ競争 | 人の顔に向けないルールを決める |
準備のコツとしては、まず床をぬらしてもよい範囲を決めておくことが大切です。浴室なら、出入り口にタオルを置いておくと、水がほかの部屋に広がりにくくなります。タライ遊びの場合は、下にレジャーシートや古いバスタオルを敷き、その上にタライを置くと安心です。
タオルや着替えの置き場所も、先に決めておきましょう。手の届くところにバスタオルを一枚用意しておくと、子どもが冷えてしまったときにすぐに体をふけます。遊び終わったあとに着る服も、あらかじめ一式まとめておくと、バタバタせずにすみます。
おもちゃの数は、あまり多くしすぎないのもポイントです。たくさん出しすぎると、遊びに集中できなかったり、片付けが大変になったりします。最初は3〜4種類だけ出し、足りないようなら少しずつ増やしていくくらいがちょうどよいでしょう。
さらに、より多くのミニゲームの例を知りたい場合は、水を使ったミニゲームのアイデア集もあわせて参考にしてみてください。
家にあるもので代用しやすい水あそびグッズには何がありますか?
ペットボトル、プラスチックのコップ、空になった洗剤ボトルなどは、水あそび用の道具として代用しやすいです。ふたがしっかり閉まる物や、角がとがっていない物を選び、ラベルがはがれやすい場合は先にはがしておくと安心です。キッチン用品を使うときは、あらかじめよく洗い、遊び専用として分けておくと衛生面でも管理しやすくなります。
0〜3歳向けやさしい水あそびアイデア4選
0〜3歳ごろの子どもは、まだ体の動きがゆっくりで、水をこわがることもあります。この年齢では、顔や頭をぬらすよりも、手足で水の感触を楽しめる遊びから始めるのがおすすめです。ここでは、親子でいっしょに楽しみやすい、やさしい水あそびの例を四つ紹介します。
一つ目は、「ちゃぷちゃぷ手あそび」です。大人のひざの上に子どもをすわらせ、タライや浴槽のへりに手をのせて、いっしょに水をたたきます。ゆっくりペチペチと手を動かしながら、「ちゃぷちゃぷ」「ぱしゃぱしゃ」と声を合わせると、音と動きの両方を楽しめます。水が顔にかかりにくいよう、浅い水かさで行うのがポイントです。
二つ目は、「おふねごっこ」です。小さなプラスチック容器やスポンジを船に見立てて、水の上に浮かべます。大人がそっと水を動かしてあげると、船がゆっくりゆれます。子どもが手で押して進めたり、指でつんつんつついたりして遊ぶのも楽しいです。まだ口に入れやすい年齢なので、遊ぶ物は大きめで、やわらかくて安全な素材を選びましょう。
三つ目は、「カップの水移しあそび」です。小さなカップを二つ用意し、一方からもう一方へ水を少しずつ移してみます。最初は大人がやって見せてから、少しずつ子どもにもやってもらいます。水がこぼれても大丈夫なように、タライの中や浴槽の中で行うと安心です。水が少し減ったり増えたりするようすを見るだけでも、子どもにとってはおもしろい経験になります。
四つ目は、「あわあわ遊び」です。少量のボディソープを水にまぜて、スポンジや手で泡立てます。できた泡を手にのせてみたり、容器に集めてケーキに見立てたりと、想像あそびに発展させることもできます。目に入るとしみることがあるので、顔の近くではあまり泡を使わないようにし、遊びおわったらきれいに流してあげましょう。
水がこわい子どもにはどんな遊びから始めるとよいですか?
まずは、体全体を水につける遊びではなく、手だけ、足だけから始めるとよいでしょう。タライの外から手をひたしたり、濡れたスポンジで手のひらをなでたりと、少しずつ水の感触になれていくのがおすすめです。子どもがいやがる様子を見せたときは、無理に続けず、別の日に短い時間だけ試すなど、ゆっくりペースに合わせてあげることが大切です。
4〜6歳向けルール付き水あそびアイデア4選
4〜6歳ごろになると、ルールを理解しながら遊べるようになってきます。この年齢では、水をすくったり運んだりしながら、かんたんなゲームのようなあそびに挑戦してみると盛り上がります。ここでは、きょうだいやお友だちといっしょに楽しみやすい水あそびを四つ紹介します。
一つ目は、「コップで水はこびリレー」です。コップに水を入れて、こぼさないように決められた場所まで運ぶ遊びです。スタート地点とゴール地点を決め、順番にコップを持って歩いてもらいます。何回か往復して、どれだけ水を運べたかを比べると、ゲーム性が出て楽しくなります。コップに入れる水の量を少なめにすると、こぼしにくくなり、小さな子でも成功しやすくなります。
二つ目は、「ペットボトルシャワー落とし」です。少し水を入れたペットボトルに小さな穴をあけ、シャワーのように水が出るようにしておきます。タライの上でペットボトルを逆さにし、落ちてくる水を別の容器で受けとめる遊びです。「3回までしかすくってはいけない」などのルールをつけると、どうやってたくさん受けとめるか考える楽しさも生まれます。
三つ目は、「的当て水ピンポン」です。お風呂の壁やタライのふちに、紙コップやスポンジをはりつけて的を作ります。そこに水鉄砲やじょうろで水をねらい、倒した数を競います。人に向けて水をかけるのではなく、的に向けてねらうルールにしておくことで、ケンカをへらしやすくなります。紙がはがれやすい場合は、防水テープなどで固定しておくと遊びやすいです。
四つ目は、「色水まぜまぜ実験」です。食紅や水性ペンで色をつけた水を少しずつ作り、透明なカップに入れておきます。赤と青をまぜると何色になるかなど、色の変化を楽しみながら遊びます。色を混ぜる前に「どんな色になると思う?」と質問してみると、ちょっとした学びの時間にもなります。色水は、少量だけ作り、遊びおわったらきちんと流しておきましょう。
きょうだいげんかをへらすために気をつけたいポイントはありますか?
順番をはっきり決めておくことと、それぞれに一つずつ道具を用意することが、ケンカをへらすコツになります。どちらが先に遊ぶか、あらかじめ大人が決めておき、「次は〇〇の番だよ」と声かけをしながら進めると、トラブルが少なくなります。また、どうしても取り合いになりやすい道具は、同じ物を二つ用意しておくと安心です。
小学生も盛り上がる本気モード水あそびアイデア4選
小学生ごろになると、水あそびにも「勝ち負け」や「チャレンジ要素」があると、よりいっそう盛り上がります。ここでは、家でできる範囲のルールを工夫しながら、夢中になって遊べる水あそびアイデアを四つ紹介します。
一つ目は、「タイムアタック水うつしゲーム」です。スタートの合図で、コップやペットボトルを使って水を運び、制限時間内にどれだけ別の容器に水を移せるかを競います。一人ずつ計測しても、きょうだいで対戦しても楽しめます。床がすべらないように、マットをしいたり、走らずに歩くルールを守ったりすることが大切です。
二つ目は、「ペアで協力バケツ運び」です。二人一組でタオルの四すみを持ち、その上に水の入った容器や水を含ませたスポンジを乗せて運びます。バランスをくずさないように息を合わせる必要があるため、チームワークを楽しめる遊びです。タオルがすべらないように、足元に気をつけてゆっくり歩くよう声をかけましょう。
三つ目は、「ミニ競技会ごっこ」です。水を使った種目をいくつか用意し、順番に挑戦していきます。たとえば、「コップで水をぴったり線まで入れられるか」「水鉄砲で的の真ん中をねらえるか」など、集中力をつかう課題を組み合わせると、大人もいっしょに盛り上がれます。得点表を作って、何点とれたかを記録しても楽しいです。
四つ目は、「ストーリー付きごっこ遊び」です。水を川や海に見立てて、船を浮かべたり、宝探しの物語を作ったりする遊びです。ペットボトルキャップやスポンジを登場人物に見立てて、子ども自身にストーリーを考えてもらうと、創造力をはたらかせながら遊べます。長時間遊ぶときは、ときどき休けいを入れて、体が冷えすぎないように気をつけましょう。
水の中に落ちていく物を使ったゲームにチャレンジしたいときは、水中コイン落としのくわしい遊び方と安全のポイントをまとめた記事も役に立ちます。
遊びが盛り上がりすぎて危なくならないようにするコツはありますか?
あらかじめ「走らない」「押さない」「顔に水をかけない」といった基本ルールを決めておき、守れなかったときは、いったん遊びを中断することも伝えておくとよいでしょう。また、大人がただ見ているだけでなく、「今の挑戦うまくいったね」などと声をかけながら、子どもの様子をこまめにチェックすることで、危なそうな動きに早めに気づくことができます。
後片付けがラクになる水はね対策とおもちゃの衛生管理
楽しく水あそびをしたあとは、できるだけラクに後片付けをしたいところです。あらかじめ片付けのことも考えて準備しておくと、「大変だからやめておこう」と感じにくくなり、家庭でも水あそびを取り入れやすくなります。
水はね対策としては、まず「ぬれてもよい範囲」をはっきりさせることが大切です。浴室では、シャワーカーテンをしめたり、出入り口にタオルをしいたりして、水が外に出にくい工夫をします。タライ遊びの場合は、レジャーシートや古いシーツの上にタライを置くと、多少水がこぼれても床まで広がりにくくなります。
ぬれたタオルや服、おもちゃの一時置き場も、あらかじめ決めておきましょう。洗濯かごや大きめのビニール袋を一つ用意しておき、「ぬれた物はここに入れる」と決めておくと、片付けがスムーズになります。子どもにも、「遊びおわったらここに入れてね」とお願いしておくと、小さな手伝いにもつながります。
おもちゃの衛生管理も、水あそびを長く楽しむために大切なポイントです。水が中に入りやすいおもちゃは、遊んだあと水をしっかり出しておかないと、中でカビが生えてしまうことがあります。遊びおわったあとは、シャワーでさっと汚れを流し、水気をよく切ってから風通しのよい場所で干すようにしましょう。
素材によっては、こまめなお手入れが必要な物もあります。スポンジややわらかいゴム素材のおもちゃは、ぬれたまま重ねて置いておくと、においが出やすくなります。数回に一度は、薄めたせっけん水で洗い、よくすすいでからしっかり乾かすと、清潔な状態を保ちやすくなります。
お風呂のおもちゃはどのくらいの頻度でお手入れするのがよいですか?
毎日のように使っているおもちゃは、遊ぶたびに水気をよく切って乾かし、週に一度くらいを目安に、せっけん水などで軽く洗うとよいでしょう。使用頻度が少ないおもちゃでも、ときどき様子を確認し、ぬめりやにおいが気になったときは、洗ってからしっかり乾かすことをおすすめします。
忙しい日に助かる「ながら水あそび」アイデア
毎日忙しいと、「水あそびをしたい」と言われても、つい気持ちの余裕がなくなってしまうことがあります。そんなときは、家事と水あそびをうまく組み合わせた「ながら水あそび」を取り入れてみるのも一つの方法です。大人がそばで見守りながら、ゆるやかにいっしょの時間を楽しむイメージです。
一つ目は、「洗い場そうじごっこ」です。スポンジやブラシを渡して、「ここをゴシゴシしてみよう」とお願いする遊びです。子どもにとっては水遊びの一つですが、結果として洗い場がきれいになるので、大人にとってもうれしい遊び方です。強くこすりすぎて手がすりむけないように、やわらかいスポンジを使うと安心です。
二つ目は、「数あそび水移し」です。コップやお椀を使って、水を何回移したかを数えながら遊びます。「いち、に、さん」と声を合わせて数えることで、数の感覚にふれるきっかけにもなります。大人が洗濯物をたたみながら、近くでいっしょに数えてあげるなど、ゆるい関わり方でも続けやすい遊びです。
三つ目は、「色さがしゲーム」です。色のついたおもちゃや、色水を入れた小さな容器をいくつか用意し、「赤はどれかな」「青はどこにあるかな」とクイズのように遊びます。色の名前をおぼえ始めた子どもにとって、楽しく学べる時間になります。大人は近くで洗面所の片付けをしながら、声だけ参加することもできます。
四つ目は、「歌いながら水あそび」です。子どもの好きな歌に合わせて、水をたたいたり、カップを上下させたりする遊びです。決まった振り付けを作る必要はなく、「サビのところで水をたたこう」など、簡単な決まりを一つだけ作ると続けやすくなります。大人が歌いながらリードしてあげると、子どもも自然と体を動かしたくなります。
家事をしながら見守るときに、特に気をつけたほうがよいことは何ですか?
家事をしながら見守る場合でも、子どもから目を離さないことが大前提です。どうしても手を離せない作業をするときは、いったん水あそびをやめて、タオルで体をふき、遊びを切り上げてから家事に戻るようにしましょう。また、スマートフォンを長時間見るなど、注意がそれてしまう行動はできるだけひかえ、子どもの様子をこまめに確認することが大切です。
水あそびを長く楽しむためのひと工夫とまとめ
お風呂やタライの水あそびは、工夫しだいで長く楽しめる遊びです。同じ道具でも、ルールや声かけを少し変えるだけで、子どもの感じ方が変わってきます。ここでは、水あそびを続けやすくするためのちょっとした工夫と、これまでの内容のまとめを紹介します。
一つの工夫は、「テーマを決める」ことです。今日は海ごっこ、次回はおまつりごっこ、といったように、ざっくりとしたテーマを決めておくと、同じ道具でも新鮮な気持ちで遊べます。たとえば海ごっこの日は、青いタオルを敷いて海に見立てたり、おまつりごっこの日は、すくう遊びや的当て遊びを多めに取り入れたりするなど、イメージに合わせた遊び方を選んでみましょう。
もう一つの工夫は、「遊びの時間をあらかじめ決めておく」ことです。遊び始める前に、「今日はこの歌を三回歌ったら終わりにしようね」「この砂時計の砂が落ちたらおしまいにしようね」と伝えておくと、切り上げるときの声かけがしやすくなります。子どもも、「ずっと遊べるわけではないけれど、その中でめいっぱい楽しもう」と気持ちを切り替えやすくなります。
写真を撮るときのひとこと声かけも、思い出作りに役立ちます。「今から水をジャーっとするよ」「手でちゃぷちゃぷしてみようか」など、撮りたい動きに合わせて声をかけると、自然な表情を引き出しやすくなります。安全に配慮しながら、手が空いたタイミングで少しだけ撮影する程度にとどめておきましょう。
これまで見てきたように、お風呂やタライの水あそびを楽しむには、まず安全ルールをしっかり確認することが大切です。そのうえで、年齢に合わせた遊び方を選び、後片付けやおもちゃのお手入れもセットで考えておくと、家庭でも続けやすくなります。忙しい日には「ながら水あそび」を取り入れ、特別な日にはテーマを決めて少しだけ工夫するなど、無理のない範囲で取り入れてみてください。
子ども会やイベントなどでも水あそびを取り入れたい場合は、イベント向けの水あそびのくふうを紹介した記事もあわせて見ると、準備のイメージがふくらみやすくなります。
毎回同じ水あそびになってしまうとき、マンネリを防ぐコツはありますか?
毎回同じ遊びになってしまうときは、「今日は道具を一つだけ変えてみる」「ルールを一つだけ足してみる」といった、小さな変化を付けてみるとよいでしょう。たとえば、いつもはコップで水を運んでいるなら、スプーンやスポンジに変えてみるだけでも、子どもにとっては新しい遊びに感じられます。遊びの前に、子どもにテーマやルールを一緒に考えてもらうのも、マンネリを防ぐ一つの方法です。

