100均グッズでお風呂あそびセットを作るメリット
お風呂の時間、子どもがなかなか入りたがらなかったり、すぐに出たがったりして、毎日のように声かけでくたびれてしまうことがあります。そんなときに役に立つのが、お風呂あそび用のグッズです。
とはいえ、専門店のおもちゃだけでそろえようとすると、金額が大きくなりやすく、こわれたときにも買い替えをためらってしまいます。そこでおすすめなのが、100円ショップのグッズを組み合わせて作る「お風呂あそびセット」です。
100均グッズのいちばんのメリットは、気軽に試せることです。バケツやカップ、じょうろ、スポンジ、ボールなど、シンプルな道具が多いので、子どもの好みに合わせて組み合わせを変えやすくなります。合わなかったグッズがあっても、大きな負担になりにくいのも安心です。
また、どこのお店でも手に入りやすい点も特徴です。家の近くや仕事帰りに立ち寄れるお店で少しずつそろえれば、「今度のお休みは新しいお風呂あそびをしようね」と、子どもと一緒にえらぶ楽しさも増えます。
家にすでにあるペットボトルや空き容器などと組み合わせやすいのも、100均グッズの強みです。100均で買ったカップと、家にあるペットボトルを合わせて「水をうつしかえるあそび」をしたり、スポンジと洗面器を使って「洗うまねっこあそび」をしたりと、工夫しだいで遊びのパターンは広がっていきます。
ただし、お風呂あそびの目的は、あくまで「楽しく安全に体をあらうきっかけを作ること」です。長時間お湯につかりすぎたり、熱いお湯で遊び続けたりすると、体に負担がかかることがあります。子どものようすをよく見ながら、時間やお湯の温度を調整しましょう。
心配な点があるときは、自治体の子育て窓口や、医療機関などが出している一般的な情報も参考にしながら、無理のない範囲でお風呂あそびを取り入れていくと安心です。
100均のお風呂おもちゃだけでも、子どもは楽しめますか？
100均のお風呂グッズだけでも、多くの子どもはじゅうぶん楽しめます。大切なのは、グッズの値段よりも「どう遊ぶか」と「いっしょに楽しむ空気」です。
たとえば、カップを2つ用意して水を入れかえるだけでも、子どもにとってはおもしろいあそびになります。水をすくう、こぼす、ためる、といった単純な動きでも、何度もくり返したくなることがよくあります。
はじめは定番の道具を少しだけ取り入れて、子どもが気に入った遊びを見つけてから、必要に応じてグッズを足していくと、ムリなく続けやすくなります。
まずそろえたい基本のお風呂あそびグッズ
ここでは、年齢にあまり関係なく使いやすい「基本のセット」を紹介します。どれも多くの100円ショップで見つけやすいグッズです。すべてを一度にそろえる必要はなく、気になったものから少しずつ試してみてください。
まずおすすめなのは、バケツや深めのカップです。水をくんだり、ほかの容器にうつしかえたりするだけで、子どもは十分に楽しめます。サイズ違いで2〜3個あると、水の量の変化も体感しやすくなります。
つぎに、じょうろや水を流せる容器です。穴があいているタイプや、細い口から水が出るものは、水の流れ方を見るだけでもおもしろく、頭を洗う前の気持ちの切りかえにも使えます。
スコップやスプーンなど、すくう道具も1〜2本あると便利です。お風呂用のボールやスポンジをすくったり、カップの中をかきまぜたりと、さまざまな遊び方ができます。持ち手が短めで、子どもがにぎりやすい形をえらぶと扱いやすくなります。
さらに、魚とりのようにすくう「ネット」も人気です。ボールやスポンジを浮かべてすくうほか、ペットボトルのキャップなどを浮かべて色別に集める遊びにも使えます。ネットの目が細かすぎると水が流れにくいので、ほどよい大きさのものをえらびましょう。
意外と重要なのが、収納かごや吊るすネットなどの「しまうためのグッズ」です。おもちゃを入れたまま水が切れるタイプをえらぶと、片づけがラクになり、カビを減らす助けにもなります。吸盤で壁にかけるタイプは、はがれやすくないかも確認しておきましょう。
最初のうちは、バケツかカップを2〜3個、じょうろを1つ、すくう道具を1〜2本、収納用のかごを1つ、というくらいの数から始めると、ムリなく使いこなせます。子どもが気に入った遊びが見えてきたら、必要に応じて少しずつグッズを増やしていくとよいでしょう。
最初に買うグッズは、どのくらいの数が目安ですか？
最初の目安としては、次のくらいの数でもじゅうぶん楽しめます。
- バケツまたは大きめのカップ：2〜3個
- じょうろまたは水を流せる容器：1個
- スコップやスプーンなどのすくう道具：1〜2本
- 収納かごや吊るすネット：1個
これくらいの数であれば、お風呂場がグッズでいっぱいになりすぎず、片づけもそれほど大変ではありません。遊びのようすを見て、「もっとカップがあった方が楽しそう」「色のちがうボールも入れたい」など、必要に応じて買い足していくとバランスをとりやすくなります。
年齢別・発達別のお風呂あそびアイテム
ここからは、年齢や発達のようすに合わせて、基本セットにどんなアイテムを足すと遊びやすくなるかを紹介します。年齢はあくまで目安なので、実際には子どもの興味や反応を見ながら、無理のない範囲でえらんでください。
1〜2歳ごろの子どもには、やわらかい素材のおもちゃがおすすめです。にぎりやすいボールやスポンジのほか、口に入れても危険が少ないように作られた、お風呂用のおもちゃがあると安心です。水をかけると色が変わるスポンジなども、この時期の子どもには人気があります。
3〜4歳ごろになると、少し複雑な動きのあるおもちゃも楽しめるようになってきます。水鉄砲や、壁にはりつけるマグネットシート、湯舟に浮かべるパズルのようなおもちゃなどがよく使われます。色水あそび用に、透明のカップやペットボトルを用意しておくと「まぜる」「分ける」といった遊びかたもできます。
5歳以上になってくると、お風呂でも簡単な「実験あそび」が楽しめます。計量カップで水の量をくらべたり、穴あきペットボトルを作って水の出方を観察したりと、身近な道具を使った遊びが増えていきます。ビニールテープなどで印をつけて、「この線まで水を入れてみよう」などの遊び方もできます。
ただし、水鉄砲やマグネット、細かいパーツ付きのおもちゃは、誤飲やケガなどの心配もあります。商品のパッケージに書かれた対象年齢や注意書きをよく読み、心配な場合は無理に使わず、よりシンプルな遊び方から取り入れるようにしましょう。
年齢ごとのおすすめを、表でもまとめておきます。実際にえらぶときの参考程度に見てください。
| 年齢の目安 | おすすめグッズの例 | あそびかたの例 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 1〜2歳 | やわらかいボール、スポンジ、深めのカップ | 水をすくう、にぎる、にぎってしぼる | 小さなパーツをさける、口に入れやすい形に注意する |
| 3〜4歳 | 水鉄砲、マグネットシート、色水あそび用カップ | 的をねらって水を出す、色をまぜる | 水を顔に向けすぎない、遊びに夢中で長湯になりすぎないように見守る |
| 5歳〜 | 計量カップ、穴あきペットボトル、じょうご | 水の量をくらべる、水の出方を観察する | すべりやすくならないよう足元に注意する、むりにむずかしい実験をしない |
水鉄砲やマグネットおもちゃは、何歳ごろから使うと安心ですか？
水鉄砲やマグネットおもちゃは、商品ごとに対象年齢がちがいます。まずはパッケージに書かれた年齢表示や注意書きをよく確認し、そのうえで子どものようすを見ながら使うかどうかを決めると安心です。
目安としては、誤飲や小さな部品の扱いが気になるあいだは、水鉄砲やマグネット以外のシンプルなおもちゃを中心にした方が、安全に遊びやすくなります。不安がある場合は、無理に使わず、子どもが成長してから取り入れても遅くはありません。
テーマ別お風呂あそびアイデア集
ここでは、100均グッズや家にある物を組み合わせた、お風呂あそびのアイデアをテーマ別に紹介します。すべてむずかしい準備はいらないものばかりなので、気になったものから試してみてください。
まずおすすめなのは、ごっこあそびです。プラスチックのカップや小さな容器を使って「アイス屋さんごっこ」をしたり、バケツやボウルを使って「スープ屋さんごっこ」をしたりできます。色付きのスポンジを「アイスクリーム」や「具」に見立てると、想像力が広がります。
つぎに、ならべる・つむあそびです。サイズのちがうカップを重ねてタワーを作ったり、スポンジを積み木のように積み上げたりして遊びます。高くつめたら、そのまま水をかけてくずす遊びも人気です。何度くずれても、簡単にやり直せるのがお風呂ならではの楽しさです。
さがす・あつめるあそびも、100均グッズと相性が良いです。お風呂の中にカラフルなボールやペットボトルキャップを浮かべて、ネットですくいながら「赤だけ集めよう」「丸い形だけ集めよう」などのルールを決めて遊びます。色分けや形分けの感覚も、自然と身につきやすくなります。
かんたんな実験あそびとしては、「沈む物」「浮く物」をくらべる遊びがあります。お風呂用のおもちゃのほか、家の中でお風呂に入れても問題ない物をいくつか選び、「これは沈むかな？浮くかな？」と話しながら試してみます。重さだけでなく、形や空気の入り方でも結果が変わることに、子どもがおどろくかもしれません。
家にある物を使う場合は、安全に使えるかどうかをよく確認し、心配な物は無理に使わないようにしましょう。とくに電池入りのおもちゃや、金属でさびやすい物などは、お風呂あそびには向きません。
お風呂以外の水あそびにも興味が出てきたら、プールやたらいを使った遊びを取り入れることもできます。そのときには、水の深さやすべりやすさなど、お風呂とはちがう点にも注意しながら、子どものようすをよく見守ることが大切です。
お風呂とはちがう水あそびの例としては、水中コイン落としのあそびアイデアも参考になります。
同じおもちゃでも、子どもをあきさせない工夫はありますか？
同じおもちゃでも、遊び方を少し変えるだけで、子どもは長く楽しめます。たとえば、いつもはカップで水をすくうだけのあそびに「順番に大きいカップから小さいカップへ移そう」というルールを足したり、「赤いスポンジだけ集める」などテーマを決めたりする方法があります。
おもちゃを全部出さず、日によって組み合わせを変えるのも一つの方法です。今日はごっこあそび中心の日、あしたはさがす・あつめるあそび中心の日、というようにテーマを変えると、同じグッズでも新鮮に感じやすくなります。
お風呂あそびの安全・衛生・片づけのポイント
お風呂あそびを楽しむためには、安全と衛生、片づけのポイントもいっしょに考えておくと安心です。ここでは、よく気をつけたい点を整理して紹介します。
まず、安全面では「小さなパーツ」「すべり」「長時間の入浴」に注意が必要です。小さなパーツは誤飲の心配があるため、子どもの年齢や発達に合っているかをよく確認しましょう。お風呂場は床がぬれやすく、転びやすい場所でもあるため、走ったり飛びはねたりしないよう、あそび方をあらかじめ決めておくと安心です。
長時間の入浴は、体の負担につながることがあります。お風呂あそびの時間は、子どものようすを見ながら決めましょう。とちゅうで顔色が悪く見えたり、ぼんやりしているように感じたら、あそびを中断して休ませることも大切です。
衛生面では、おもちゃをぬれたまま放置しないことが基本です。水気を切らずに放置すると、カビやぬめりが出やすくなります。あそびが終わったら、軽く水で流してから水気をきり、できるだけ風通しのよい場所でかわかすようにしましょう。
収納方法によっても、乾きやすさや片づけやすさが変わります。代表的な収納方法の特徴を、表にまとめておきます。
| 収納方法 | メリット | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| 吊るすネット | 水が切れやすく、見た目もわかりやすい | 吸盤がはがれやすい場合があるので、ときどき固定を確認する |
| かごやバスケット | 出し入れが簡単で、床に置くだけでも使える | 底に水がたまりやすいので、ときどき水をすてて乾かす |
| フック付きケース | 個別に吊るせて整理しやすい | フックの位置によっては子どもの頭にぶつからないよう配置を工夫する |
おもちゃを洗う頻度は、使う回数や環境によって変わりますが、ぬめりやにおいが気になってきたら、水洗いや中性洗剤での手洗いを検討しましょう。洗い方で不安な点がある場合は、商品のパッケージに書かれている説明もよく読んでおくと安心です。
お風呂おもちゃは、どのくらいの頻度で洗うと安心ですか？
お風呂おもちゃを洗う頻度は、一概には決められませんが、目安としては「見た目がよごれてきたとき」「ぬめりやにおいが気になってきたとき」に、そのつど洗うのがおすすめです。
毎日使うおもちゃは、数日に1回程度、さっと水洗いをして乾かすだけでも、よごれがたまりにくくなります。がんこなよごれやカビが気になる場合は、商品の説明をよく読んだうえで、中性洗剤などを使った手洗いも検討してみてください。
長く楽しむためのグッズ整理と買い足しのコツ
お風呂あそびグッズは、気づくと増えやすいものです。ここでは、長く楽しみながらも、おもちゃを増やしすぎないための工夫を紹介します。
まずおすすめなのは、「全部をいちどに出さない」工夫です。お風呂に持ち込むおもちゃを、1〜2種類にしぼる日を作ったり、曜日ごとに使うグッズを決めたりすると、同じおもちゃでも新鮮に感じやすくなります。たとえば、月曜日はごっこあそび、火曜日はさがすあそび、といった具合です。
季節やイベントに合わせてテーマを変えるのも楽しい方法です。夏は水鉄砲を中心にした遊び、冬はお湯の温度に気をつけながら、スポンジやカップを使った遊びを増やすなど、季節ごとの楽しみを見つけることで、おもちゃの使い方にも変化が出てきます。
こわれたグッズの扱いについては、無理に修理して使い続けるのではなく、けがの原因になりそうなときは思いきって手放すことも大切です。とくに、ひびが入ったプラスチックや、とがった部分が出てしまったおもちゃは、早めに処分した方が安心です。
100均で新しいアイテムをえらぶときは、「今あるグッズとどう組み合わせて遊べるか」を意識すると、ムダな買い物を減らせます。すでにカップがたくさんあるなら、カップと組み合わせて遊べるスポンジやシートをえらぶなど、役割のちがうグッズを足していくイメージです。
家にある物を活用するのも、買い足しすぎないコツです。ペットボトル、空き容器、プラスチックのスプーンなど、お風呂で安全に使える物をうまく取り入れれば、少ないグッズでも多くの遊び方が生まれます。使う前には、安全に使えるかどうかを必ず確認しましょう。
お風呂のおもちゃを増やしすぎないために、どんな工夫ができますか？
おもちゃを増やしすぎないためには、次のような工夫が役に立ちます。
- 新しく買うときは、「今あるグッズとどう組み合わせるか」を考える
- こわれた物や使わなくなった物は、そのままにせず見直す
- お風呂に持ち込むおもちゃの数を、あらかじめ決めておく
これらを意識するだけでも、「気づいたらお風呂場がグッズでいっぱい」という状態を防ぎやすくなります。子どもといっしょに「本当に使う物」を話し合いながら選ぶと、おもちゃの数を見直すきっかけにもなります。
まとめとよくある質問
ここまで、100均グッズを中心にしたお風呂あそびセットの作り方や、年齢別のアイテム、遊び方のアイデア、安全や片づけのポイントを紹介してきました。
さいごに、どんなご家庭でも取り入れやすいポイントを、あらためて3つにまとめます。
1つ目は、「100均グッズでも工夫しだいでじゅうぶん楽しめる」ということです。バケツやカップ、スポンジなど、シンプルな道具でも、組み合わせと声かけで多くの遊び方が生まれます。
2つ目は、「安全と衛生、片づけもいっしょに考える」と、毎日の負担が減るということです。小さなパーツやすべりやすさ、長時間の入浴に気をつけながら、おもちゃを洗って乾かす習慣をつけておくと、安心して続けやすくなります。
3つ目は、「全部を完璧にそろえようとしないで、少しずつ試していく」ということです。まずは基本セットから始めて、子どものお気に入りや遊び方を見ながら、必要な物だけを足していくと、ムリなくお風呂あそびを楽しめます。
ここからは、記事全体を通して出やすい質問を、いくつかQ&A形式でまとめます。
100均のお風呂グッズは、どのくらいの期間使えることが多いですか？
100均のお風呂グッズの使用期間は、素材や使い方によって大きく変わります。ていねいに洗って乾かしながら使えば、長く使える物もありますが、ひび割れやカビなどが出てきた場合は、早めに買いかえを検討した方が安心です。
とくに、お風呂の中で口に触れやすいおもちゃや、体にあてて遊ぶグッズは、よごれが気になったら無理に使い続けないようにしましょう。
きょうだいで一緒にお風呂あそびをするとき、気をつけたいことはありますか？
きょうだいでお風呂あそびをするときは、年齢や体の大きさのちがいに注意が必要です。上の子が夢中になっていると、知らないうちに下の子に水がかかりすぎてしまうことがあります。順番を決めたり、「顔には水をかけない」などのルールをあらかじめ話し合っておくと安心です。
おもちゃを取りあいになりそうなときは、同じような役割のグッズを2つ用意するか、交代の時間を決める方法もあります。大人が近くで見守りながら、みんなが楽しめるように調整していきましょう。
お風呂あそびの時間は、1日にどのくらいを目安にすればよいですか？
お風呂あそびの時間は、子どもの年齢や体調、その日の気温などによっても変わります。一般的には、長時間の入浴は体に負担がかかるとされていますので、子どものようすをよく見ながら、ほどよいところであそびを切り上げることが大切です。
「もう少し遊びたい」と言うことも多いですが、「今日はここまでにしようね」と、あらかじめ時間の目安を決めておくと、お互いに気持ちの切りかえがしやすくなります。心配な点があるときは、自治体や医療機関などが出している一般的な情報も参考にしながら、無理のない範囲でお風呂あそびを取り入れていきましょう。
