1/2インチは何センチ？まずは基礎から理解しよう
インチ、センチ、ミリ。どれも長さの単位ですが、使われる場面が少し違います。日本の生活ではセンチやミリが多く、海外製の工具や図面ではインチがよく出てきます。まずは関係をシンプルに押さえましょう。
1インチは2.54センチメートルです。これは国際的な取り決めで決まっています。ここから、1/2インチを計算します。1/2インチは、1インチの半分なので、2.54cmの半分です。つまり約1.27cm、ミリにすると約12.7mmです。
インチ表記には、分数（1/2、3/8など）と小数（0.5、0.375など）の2通りがあります。分数が苦手でも大丈夫です。小数に直してから計算すれば、混乱が減ります。計算式は次の通りです。
- cmにしたいとき： インチ × 2.54 = cm
- mmにしたいとき： インチ × 25.4 = mm
- 分数 p/q をmmにしたいとき： (p ÷ q) × 25.4 = mm
たとえば 1/2 インチなら (1 ÷ 2) × 25.4 = 12.7mm になります。3/8 インチなら (3 ÷ 8) × 25.4 = 9.525mm です。端数が出たときは、作業の目的に合う桁で丸めます。材料を切る、穴を開ける、ボルトを選ぶなどの場面で、必要な精度は少しずつ違います。
インチは、木工、金属加工、配管、電子部品、カメラねじなど、意外と多くの分野で使われます。海外製の工具や部品では、取扱説明書やサイズ表示がインチ基準のことも多いです。単位の違いが原因で、部品が合わない、工具が入らない、穴が緩いといったトラブルが起きることがあります。先に換算のコツを身につけておくと安心です。
よくある質問（1/2インチは何cm・何mm？小数で書くと？）
- 1/2インチは何cm？ 約1.27cmです。
- 1/2インチは何mm？ 約12.7mmです。
- 1/2インチを小数のインチで書くと？ 0.5インチです。
- 3/8インチは何mm？ 約9.525mmです。作業では9.5mmと読むこともあります。
- 端数はどこまでそろえるべき？ 目的により異なります。一般的なDIYでは小数第2〜3位までで十分な場面が多いです。
DIYでよく使われるインチサイズ一覧【1/4～1インチまで】
ここでは、1/4インチから1インチまでの代表的な分数インチを一覧にします。分数表示、小数表示、センチ、ミリ、主な用途を同じ行で見られるようにしました。早見表としてブックマークしておくと便利です。
| 分数インチ | 小数(in) | cm | mm | 主な用途の例 |
|---|---|---|---|---|
| 1/4 | 0.25 | 0.635 | 6.35 | 小ねじ、電動工具の下穴、小型配管 |
| 5/16 | 0.3125 | 0.7938 | 7.9375 | ボルト、家具金具、薄板の穴あけ |
| 3/8 | 0.375 | 0.9525 | 9.525 | ソケットレンチ、木ネジの下穴、DIY金具 |
| 7/16 | 0.4375 | 1.1113 | 11.1125 | ボルト、配管継手、ブッシュ |
| 1/2 | 0.5 | 1.27 | 12.7 | レンチ差し込み、ドリル、家庭用配管の呼び径関連 |
| 9/16 | 0.5625 | 1.4288 | 14.2875 | ソケット、ワッシャ、薄板拡張穴 |
| 5/8 | 0.625 | 1.5875 | 15.875 | 木工のダボ、配管部品、貫通穴 |
| 11/16 | 0.6875 | 1.7463 | 17.4625 | ベアリング外径周り、座ぐり |
| 3/4 | 0.75 | 1.905 | 19.05 | 水回り配管、家具の貫通穴、大型金具 |
| 13/16 | 0.8125 | 2.0638 | 20.6375 | ソケット、ハブ関連、配管アダプタ |
| 7/8 | 0.875 | 2.2225 | 22.225 | 大径ボルト、グロメット、パイプ通し |
| 15/16 | 0.9375 | 2.3813 | 23.8125 | 大型座ぐり、治具穴 |
| 1 | 1.0 | 2.54 | 25.4 | 主要基準寸、パイプ外径・呼び径関連 |
表の値は四捨五入で示しています。実際の規格品は別の設計基準（呼び径、ねじ山のピッチ、公差など）で決まることがあります。購入前に品番や規格の説明を確認しましょう。
ボルトやナットでは、呼び寸やねじ規格（UNC、UNFなど）で表されることがあり、単純な直径の数値だけでは合いません。配管でも「呼び径」と実寸は違うことがあります。表はあくまで目安として使い、規格名称と一緒に確認する習慣をつけると失敗が減ります。
「1/2インチ」と「12mm」の違いを体感で理解しよう（穴径・遊びの比較）
1/2インチは12.7mmです。12mmと比べると0.7mmの差があります。穴径で0.7mmは、ボルトのガタつきや、きつさに影響します。たとえば、12mmの穴に12.7mm相当の部材を通そうとしても入りません。逆に、12.7mmの穴に12mmの軸を通すと、少し遊びが出ます。
体感の目安として、コピー用紙の厚みはおよそ0.1mmです。0.7mmはコピー用紙約7枚分に近い差です。現物合わせでは意外と分かる差なので、近いサイズを代用するときは注意が必要です。
実際のDIY現場で「1/2インチ」をどう使う？
ここでは、1/2インチがよく登場する道具と部材の例をまとめます。実作業のイメージがつくと、サイズ選びが楽になります。
まず、ドリルビットです。1/2インチのビットは12.7mmの穴があきます。木工では大きめのダボや配線用の貫通穴に使われます。金属では、ボルトが通る穴を開ける前に段階的に下穴を広げる方法が一般的です。いきなり大径で開けると、刃先が流れたり、材料に負担がかかることがあります。
次に、レンチとソケットです。「1/2インチ」は二通りの意味で出てきます。ひとつはボルトの対辺（頭の幅）のサイズ、もうひとつはソケットレンチの差し込み角（差込角）です。差し込み角1/2インチのレンチは、家庭用から中型作業まで幅広く使われます。差し込み角が一致しないとソケットが取り付けられないため、アダプタで変換するか、規格をそろえます。
配管では、1/2インチは水回りの基本的な呼び径のひとつとして出てきます。ここでの「1/2」は必ずしも外径や内径の実寸を指しません。規格上の呼び名です。継手やバルブ、ニップルを選ぶときは、同じ呼び径でそろえることが重要です。見た目が似ていても、ねじの規格が違うと取り付けできません。
海外製工具でインチ表記が多い理由には、歴史的にインペリアル単位系が長く使われてきた背景があります。アメリカやイギリス規格の製品は、現在もインチを標準とする分野が残っています。日本のメートル法製品と混在させる場合は、単位の切り替えに慣れておくと安心です。
似たサイズを間違えないためには、まず実物を測ることです。ノギスやスケールで直径を測り、表と照らし合わせます。工具を選ぶときは製品名の規格記号（たとえば 1/2 in、12mm、1/2-13UNC など）を最後まで読みます。試し差しをするときは、部材を傷めないように、必ず不要材で確認してから本番に進みます。
よくある質問（代替サイズは使える？アダプタの注意点）
- 12mmの穴で1/2インチのボルトは使える？ 基本的には合いません。寸法差が0.7mmあり、無理に入れると損傷の原因になります。
- 1/2インチ差込角のソケットに3/8インチのハンドルは付く？ 変換アダプタがあれば接続できます。強度や可動スペースに注意してください。
- 1/2インチねじと12mmねじは互換？ 規格が異なるため、ねじ山やピッチが合わないことが多いです。無理な組み合わせは避けましょう。
- 代替として少し大きい穴を開けてワッシャで調整してよい？ 作業の目的や強度要求によります。一般論として、設計値からの逸脱はリスクがあります。迷ったら安全側に判断し、規格に合う部材を使いましょう。
1/2インチ＝約1.27cmを正確に使いこなすためのポイント
単位の切り替えに慣れるには、場面ごとに「型」を決めておくとスムーズです。分数インチを見たら、まず小数に直し、次にmmへ換算する、と順番を固定します。暗算が難しいときは、スマホの電卓で分数を小数に変換してから25.4を掛けます。
よく使うサイズだけは、語呂合わせやメモで覚えておくと便利です。たとえば、1/2は12.7mm、1/4は6.35mm、3/8は9.525mm、3/4は19.05mm、1インチは25.4mm、といった具合です。現場で素早く判断でき、作業の手が止まりにくくなります。
換算アプリやオンラインツールも役立ちます。分数入力に対応したアプリだと、3/8 や 5/16 のような表記をそのまま入れられます。結果の丸め方（小数点以下の桁数）を設定できるものを選ぶと、作業に合った精度を保てます。オフラインで使えるアプリは、電波の弱い場所でも安心です。
誤差や許容差については、一般的な考え方を押さえておくと判断しやすくなります。木工では、湿気や材料の収縮を考慮し、わずかな遊びをもたせることがあります。金属加工では、部品のはまり具合に応じて、穴側と軸側で狙う寸法を変えることがあります。どの場合も、作業の目的に合わせて、どこまで誤差を許せるかを先に決めるのがコツです。
サイズ違いを力でねじ込まないことが基本です。合わないと感じたら、いったん手を止めて、測定、規格確認、部材の選び直しを行いましょう。無理な作業は、材料や工具の破損、けがの原因になります。
よくある質問（丸め方は？現場での誤差対策は？）
- 小数はどこで丸める？ 作業の精度に合わせます。木工の下穴なら小数第2位、金属の合わせ部品なら第3位まで残すなど、目的で変えます。
- mmとインチが混在する図面はどう読む？ 各寸法の単位を必ず確認し、図面の注記（単位欄）を見ます。単位が混在する場合は、同じ箇所で単位を統一してメモしておくとミスが減ります。
- 計算ミスを減らすには？ 分数→小数→mmの順で統一し、よく使う値はメモ化します。アプリや表でダブルチェックします。
まとめ｜1/2インチ＝約1.27cm＝約12.7mm、DIYでは基準サイズのひとつ
1/2インチは、約1.27cm（約12.7mm）です。ドリル、レンチ、配管など、さまざまな場面で登場します。分数表示に戸惑っても、小数にしてから25.4を掛ければ、すぐにmmへ換算できます。よく使うサイズの早見表を手元に置き、規格名とセットで確認する習慣をつけると、失敗が減ります。
近いサイズとの置き換えは、便利なときもありますが、目的に合わないと精度や強度に影響します。迷ったら、まず測定し、規格表示を読み、適合する部材を使うのが安全です。海外製の製品と組み合わせるときは、特に単位の確認を忘れないようにしましょう。
このページは、作業前の確認や、現場での再確認に使えます。ブックマークしておくと、サイズ選びや換算で迷ったときに役立ちます。
よくある質問（本記事の使い方／どこから見ればいい？）
- すぐ答えを知りたい：最初の見出しにある換算結果を参照してください。
- 作業に合うサイズを選びたい：早見表と、用途欄を見ながら候補を絞り込んでください。
- 迷ったとき：測定→換算→規格確認の順でチェックすると、ミスが減ります。
