電話の通知がこないときに、まず確認したいこと
スマホに電話がかかってきているはずなのに、まったく気づけなかった。あとで履歴を見ると着信が残っていて、あわててしまった。こうした経験がある人は多いと思います。
電話の通知がこないと言っても、よく見るといくつかのパターンがあります。
- まったく鳴らないし、画面も光らない
- 画面は光るが、音やバイブが動かない
- 特定の人からの電話だけ鳴らない
- スマホではなく、別の機器から音が鳴っている
まずは自分がどのパターンに近いのかを整理しておくと、あとで設定を見直すときに迷いにくくなります。
もう一つ大事なのは、「そもそも着信が来ていなかった」のか、「着信は来ていたが、音や表示に気づけなかった」のかを分けて考えることです。
着信履歴にその番号が残っている場合は、電話自体は届いている可能性が高いです。この場合は、通知や音量、マナーモードなどの設定を見直すことで、改善できることが多いです。
一方で、履歴にも何も残っていないのに、相手から「電話をかけたのに」と言われる場合は、通話回線や電波、機種の状態など、別の原因が関わっていることもあります。このようなケースは、自分でできる範囲の確認をしたうえで、通信事業者や端末のサポートに相談することも検討しましょう。
この記事では、次のような流れで「通知がこない問題」を整理していきます。
- 1. AndroidとiPhoneに共通する、音量やマナーモードなどの基本設定
- 2. Androidで電話アプリの通知を見直すときの手順
- 3. iPhoneで電話の通知や着信表示を見直すときの手順
- 4. 特定の相手だけ鳴らない、別の機器から音が出ているなど、その他の原因
- 5. 自分では直せないと感じたときの相談先と注意点
一つずつ落ち着いて確認していけば、どこに原因がありそうかが少しずつ見えてきます。あわてず、順番に見ていきましょう。
電話が鳴らないとき、最初にどこを見ればいい?
電話が鳴らないと感じたときは、次の三つを簡単に確認するのがおすすめです。
- 本体の音量ボタンで、着信音量がゼロになっていないか
- マナーモードやサイレントモードが有効になっていないか
- おやすみモードや集中モードのような、通知をまとめて止める機能がオンになっていないか
この三つを確認しても状況が変わらない場合は、次の章でくわしく説明する基本設定を順番に見直していきましょう。
Android・iPhone共通で見直したい「音量・マナー・おやすみモード」
ここでは、AndroidとiPhoneのどちらにも共通する基本的な設定をまとめて確認します。細かい画面の違いはありますが、考え方はよく似ています。
まず知っておきたいのは、スマホの音量にはいくつか種類があるという点です。多くの機種では、次のような音量が別々に設定されています。
- 着信音量:電話や通知の音に関係する音量
- メディア音量:動画や音楽などの再生に関係する音量
- アラーム音量:目覚ましなど、アラームの音量
電話の通知がこないと感じていても、実際には着信音量だけが小さくなっている場合があります。動画の音は普通に聞こえるのに、電話だけ静かなときは、着信音量を見直してみましょう。
次に、マナーモードやサイレントモードについてです。マナーモードとは、着信音を鳴らさずに、バイブレーションや画面表示だけでお知らせするための機能です。サイレントモードという名前で呼ばれることもあります。
マナーモードがオンになっていると、電話が来ても音が鳴りません。仕事中や移動中にマナーモードにして、そのまま戻し忘れてしまうこともよくあります。まずは画面の上から下にスワイプして、クイック設定の中にあるマナー関連のボタンの状態を確認してみてください。
さらに、おやすみモードや集中モードと呼ばれる機能もあります。これは、特定の時間帯や状況で通知をまとめて止めたり、特定の相手だけ通知を許可したりするための機能です。通知の表示や音を広い範囲で制限できるため、設定によっては電話の着信通知も静かになってしまうことがあります。
機内モードは、飛行機の中などで電波を止めるための機能で、オンにするとモバイル通信や通話が制限されます。アイコンやボタンの位置は機種によって少し違いますが、電波マークが消えて飛行機のマークが出ているときは、機内モードがオンになっている可能性があります。
よくある原因と、そのときに起こりやすい症状は、次のように整理できます。
| 原因 | 主な症状の例 |
|---|---|
| 着信音量が小さい、またはゼロ | 電話はかかってきているが、音に気づけない |
| マナーモードやサイレントモードがオン | 画面は光るが音が鳴らない、バイブだけ動く |
| おやすみモードや集中モードがオン | 通知自体が表示されにくくなり、気づきにくい |
| 機内モードがオン | 電波マークが消え、そもそも着信しにくい |
この表を見ながら、自分の症状に近いものがないかを考えてみてください。
基本的なチェックだけをまとめて確認したい場合は、着信音が鳴らないときの基本チェックの記事も参考になります。
なお、機種やOSのバージョンによって、ボタンの場所や名称が少し異なることがあります。その場合は、完全に同じ名前でなくても、似た意味の単語を探してみるとよいでしょう。
これらの基本的な設定を確認しても、まだ通知がこないと感じる場合は、電話アプリそのものの通知設定を見直す必要があります。次の章から、AndroidとiPhoneに分けて説明していきます。
マナーモードとおやすみモードは何が違う?
マナーモードは、主に「音を消す」ための機能です。電話が来たときに音は鳴らさず、バイブレーションや画面の表示で知らせてくれます。
一方、おやすみモードや集中モードは、「通知そのものを減らす」ための機能です。音を消すだけでなく、そもそも通知を表示しないようにしたり、特定の人からの連絡だけを通したりといった調整ができます。
電話の通知がこないと感じるときは、マナーモードだけでなく、おやすみモードや集中モードも一緒に確認しておくと安心です。
Androidで電話アプリの通知を直す基本ステップ
ここからは、Androidで電話アプリの通知を見直す手順を説明します。機種やメーカーによって画面のデザインは異なりますが、だいたい次のような流れになっていることが多いです。
- 設定アプリを開く
- アプリやアプリと通知といった項目を選ぶ
- 一覧の中から電話や通話といった名前のアプリを選ぶ
- 通知の設定画面を開く
まずは、設定アプリからアプリの一覧を表示し、電話アプリの通知がオンになっているかを確認しましょう。通知がオフになっていると、着信があっても画面に表示されにくくなります。
通知がオンになっていても、通知の詳細な項目が細かく分かれていることがあります。たとえば、「着信」「不在着信」「通話中の通知」など、場面ごとに通知のオンオフを切り替えられる機種もあります。このような場合は、着信に関係する項目がオフになっていないかを確かめてください。
次に、通知の表示方法も見ておきましょう。ポップアップ表示や画面上部のバナー表示などをオフにしていると、音だけ鳴って画面にはほとんど表示されないことがあります。ロック画面に通知を出すかどうかを選べる機種もあるので、自分の使い方に合った表示方法になっているかを確認してみてください。
着信音そのものの設定も重要です。設定アプリの音や音とバイブといった項目から、着信音の種類や音量を変更できます。聞き取りにくいメロディを選んでいると、周りの音に紛れてしまうこともあります。自分が聞き取りやすい音色や長さのものを選ぶと、着信に気づきやすくなります。
一部のAndroid機種では、通知チャンネルという仕組みが使われています。これは、同じアプリの中でも、機能ごとに通知を分けて管理するための設定です。難しく感じるかもしれませんが、着信に関係するチャンネルがオフになっていないかを確認するイメージで大丈夫です。
また、省電力モードや電池の最適化の設定によって、一部の通知が届きにくくなることもあります。電池を長持ちさせるための機能ですが、過度に制限されていると通知が遅れたり、表示されなかったりする場合があります。電話の通知が気になる場合は、電話アプリを省電力の対象から外せないかどうかもチェックしてみてください。
これらの設定を一通り見直しても改善しないときは、スマホを一度再起動してみるのも一つの方法です。一時的な不具合で通知がうまく動いていないだけのこともあり、再起動で解消される場合があります。
機種ごとの画面例など、さらにくわしい手順を確認したい場合は、Androidの電話通知を細かく設定する方法もあわせて確認してみてください。
電話アプリだけ通知をオンにすることはできる?
多くのAndroidでは、アプリごとに通知をオンまたはオフにできます。設定アプリからアプリの一覧を開き、電話アプリの通知をオンにすることで、他のアプリよりも優先して着信に気づきやすくすることが可能です。
すべての通知が多すぎて困っている場合でも、電話アプリだけは通知をオンにしておくと、大事な連絡を見落としにくくなります。
iPhoneで電話の着信通知と表示を見直す方法
次に、iPhoneで電話の通知や着信表示を見直す方法を説明します。iOSのバージョンによって画面の構成は多少変わりますが、基本的な考え方は同じです。
まずは、設定アプリから通知の項目を開きます。その中に電話という項目があるので、そこをタップして通知の状態を確認します。
電話の通知設定では、次のようなポイントを見直しておくと安心です。
- 通知を許可がオンになっているか
- ロック画面や通知センター、バナーなど、どこに表示するか
- サウンドがオンになっているか
通知そのものをオフにしていると、着信があっても画面に表示されません。また、サウンドをオフにしていると、画面には出ているのに音が鳴らないという状態になります。
次に、設定アプリのサウンドと触覚の項目も確認しておきましょう。ここでは、着信音の種類や音量、バイブレーションのパターンなどを調整できます。静かな音や短い音を選んでいると、周囲の音に埋もれてしまうこともあります。
iPhoneには、集中モードと呼ばれる機能があります。以前はおやすみモードという名前で表示されていたこともあります。集中モードがオンになっていると、あらかじめ決めた条件に合わせて通知を制限できます。たとえば、特定の人からの電話だけを許可する設定などが可能です。
集中モードの設定が複雑になっていると、本人の意図しない形で通知が止まってしまうことがあります。設定アプリから集中モードを開き、どのモードがいつ動くようになっているか、電話を許可する相手がどのように設定されているかを確認してみてください。
また、iPhone本体の横には、サイレントスイッチがあります。このスイッチがオンになっていると、着信音が鳴らなくなります。ポケットやカバンから出し入れしているうちに、うっかりスイッチが切り替わってしまうこともあるので、音が出ないと感じたときは一度状態を見てみましょう。
このほか、一部のカバーやケースによって、ボタンが押されたままの状態になり、知らない間に音量が下がってしまうこともあります。最近ケースを変えたばかりの場合は、ケースを外してから音量やスイッチの状態を確認してみるのも一つの手です。
サイレントスイッチがオンでも着信に気づく方法はある?
サイレントスイッチがオンのときでも、バイブレーションを有効にしておけば、手元で振動に気づけることがあります。設定アプリのサウンドと触覚から、着信時にバイブを使うかどうかを選ぶことができます。
また、集中モードの設定で、特定の人からの電話だけは通知を許可するようにしておくと、大事な連絡を見落としにくくなります。すべての通知を完全に止めるのではなく、必要なものだけを選んで受け取るイメージで調整してみてください。
特定の相手だけ鳴らない・別の機器から鳴っているときのチェックポイント
基本設定を見直しても、特定の相手からの電話だけが鳴らなかったり、別の機器から音が鳴っていたりすることがあります。ここでは、そうした少し特殊なケースについて整理します。
まず、着信拒否リストの存在を確認しましょう。着信を拒否した番号は、電話をかけてきても通知が表示されないか、表示されてもとても分かりにくい形になることがあります。以前に迷惑だと感じて登録した番号を忘れてしまっている場合もあります。
また、迷惑電話を自動で判定するアプリや、標準の迷惑電話フィルター機能を使っている場合は、その設定も確認しておきたいところです。誤判定によって、必要な電話が静かになってしまう可能性もゼロではありません。
連絡先アプリ側の設定にも注意が必要です。特定の連絡先に対して、独自の着信音や通知の扱いを設定していると、その人からの着信だけ反応が違うことがあります。特に、着信音をなしにしている連絡先がないかどうかを見てみてください。
さらに、Bluetoothイヤホンやスピーカーに音が飛んでいるケースもよくあります。スマホ本体では鳴っていないのに、近くに置いていたイヤホンからだけ音が出ていると、気づかないこともあります。最近Bluetooth機器を使った記憶がある場合は、接続が続いていないかどうかも確認してみましょう。
こうした原因と症状の例は、次のようにまとめられます。
| 原因の種類 | 症状の例 |
|---|---|
| 着信拒否リストに登録されている | 特定の番号からの電話だけ鳴らない、またはすぐ切れる |
| 迷惑電話フィルターやアプリの誤判定 | 知らない番号だけでなく、本来必要な電話も静かになることがある |
| 連絡先ごとの特別な設定 | ある人からの電話だけ音が違う、または音がしない |
| Bluetooth機器への接続 | スマホ本体からは音が出ず、イヤホンやスピーカーだけ鳴っている |
これらの原因は、設定画面の中でも見落としやすい部分にあります。少し手間はかかりますが、一つずつ丁寧に見直してみることが大切です。
特定の相手からの電話だけ鳴らないのはなぜ?
特定の相手からの電話だけ鳴らない場合は、着信拒否リストや迷惑電話フィルターが関係していることが多いです。また、その連絡先だけ着信音や通知をなしに設定している可能性もあります。
まずは電話アプリや連絡先アプリの設定を開き、その番号がブロックされていないか、特別な設定が付いていないかを確認してみましょう。
自分で直せないときの相談先と、あわててやらない方がよいこと
ここまでの内容を一通り試しても、電話の通知がうまく出ない場合は、自分だけで直そうとせずに、専門の窓口に相談することも考えてみましょう。
相談先としては、主に次のようなところがあります。
- 契約している通信事業者のサポート窓口やショップ
- スマホの端末メーカーのサポート窓口
- スマホを購入した家電量販店やオンラインショップのサポート
通信事業者の窓口では、回線の状況や契約内容に問題がないかを確認してもらえることがあります。端末メーカーのサポートでは、機種固有の不具合や設定に関する情報を持っている場合があります。
相談するときは、次のような情報をメモしておくと話がスムーズになります。
- どのくらい前から症状が出ているか
- 通知がこないのは毎回なのか、ときどきなのか
- 特定の相手だけなのか、誰からの電話でも同じなのか
- どのような設定を自分で試したか
これらを簡単にメモして持っていくと、担当者が状況を把握しやすくなります。
一方で、あわててやらないほうがよいこともあります。たとえば、原因がはっきりしないまま端末を初期化してしまうと、連絡先や写真、アプリのデータなど、大事な情報を失ってしまうおそれがあります。初期化や大きな設定変更を行う前には、必ずバックアップを取ることが大切です。
また、インターネット上の情報だけを頼りに、複雑な設定を次々と試すのも注意が必要です。設定を変えすぎると、どこが原因だったのか分からなくなり、元に戻すのが難しくなることもあります。
困ったときは、一度深呼吸をして、これまでに試したことを整理してみましょう。それでも不安な場合は、サポート窓口に相談して、画面を見せながら一緒に確認してもらう方法もあります。
なお、通話アイコンに斜線が表示されていて電話自体ができない場合は、ここで紹介した通知の問題とは状況が少し異なります。そうしたときは、通話アイコンに斜線が出るときの原因と対処もあわせて確認してみてください。
最後に、この記事の内容を簡単なチェックリストとしてまとめます。
- 着信音量、マナーモード、おやすみモード、機内モードを確認したか
- 電話アプリの通知がオンになっているか、表示方法は適切か
- 着信音やバイブの設定を、自分が気づきやすいものに変えたか
- 着信拒否や迷惑電話フィルター、連絡先の特別な設定を確認したか
- Bluetooth機器に音が飛んでいないか確かめたか
これらを一つずつ見直してみても不安が残る場合は、無理をせずに専門のサポートに相談してみてください。
どのタイミングでショップやサポートに相談すればいい?
基本的な設定を一通り見直しても、症状が変わらないときは、サポートに相談するタイミングと考えてよいでしょう。また、通知がまったく来ない状態が続いていて、大事な連絡を逃してしまう不安が大きい場合も、早めに相談したほうが安心です。
その際は、症状が出ているときの画面をスクリーンショットで残しておくと、状況を説明しやすくなります。

