上司からの誘いを上手に断る方法と実例集｜気まずさを避ける伝え方
上司からの食事や休日のお誘いは、人間関係にプラスにもマイナスにも働く繊細なテーマです。断りたい気持ちはあるけれど、角は立てたくない——そんな場面で使える「言い方」「タイミング」「後処理」を、やさしい言葉で丁寧にまとめました。状況別の例文も豊富に用意しているので、そのままコピペして使えます。
- 基本マナー（感謝・理由・代替の三本柱）
- 心理テクニック（クッション言葉／アサーティブ／DESC法）
- シーン別の断り方（体調・家庭・先約・金銭・お酒・継続断り）
- メール／チャットの書き方と件名テンプレ
- 断った後のフォロー術（関係維持のひと言）
- 避けたいNG対応（信頼を損ねるパターン）
- 迷ったときの判断フロー（テキスト版）
- まとめ（今日から使える要点）
基本マナー｜まず押さえるべき三本柱
断るときは、次の順序を意識すると角が立ちにくくなります。
- 感謝：お声がけへのお礼を最初に伝える
- 理由：事実ベースで短く（深掘りしない）
- 代替：次回・別案・別日など前向きな一歩
この並びは「ノーのサンドイッチ（感謝→理由→代替）」とも呼ばれ、やわらかい印象を与えます。
心理テクニック｜言いにくさをほぐすコツ
クッション言葉で衝撃を和らげる
- せっかくですが／お気持ちは嬉しいのですが／お声がけありがとうございますが
- 大変ありがたいのですが／身に余るのですが
最初に添えるだけで、断りの印象を弱められます。
アサーティブコミュニケーション
自分も相手も尊重しつつ、事実と希望を簡潔に伝えます。感情表現は控えめ、具体的・肯定的に。
DESC法（Describe・Express・Specify・Consequence）
- 状況（D）：金曜は家庭の予定があり
- 気持ち（E）：お誘い自体は嬉しいのですが
- 提案（S）：今回は見合わせ、来週水曜なら調整可能です
- 結果（C）：業務の調整もスムーズになります
シーン別｜上司の誘いを断る実例集
それぞれ「対面・電話」「メール」「チャット」の３形式を用意しています。社風に合わせて語尾を調整してください。
例文① 体調不良を理由に断る
- 対面・電話：お声がけありがとうございます。申し訳ありません、本日少し体調が優れず、今回は見合わせてもよろしいでしょうか。次の機会にぜひお願いします。
- メール：件名：お誘いのお礼と本日の件／本文：お誘いありがとうございます。恐縮ですが体調不良のため、今夜は参加を控えます。次回はぜひ参加させてください。
- チャット：お声がけ感謝です。すみません、体調が万全でなく本日は失礼させてください。次回ぜひお願いします。
例文② 家庭の事情を理由に断る
- 対面・電話：お誘い嬉しいです。恐縮ですが、その日は家族の予定があり参加が難しそうです。別日に改めてご一緒できれば助かります。
- メール：件名：〇日の件について／本文：お誘いありがとうございます。家庭の行事が重なっており、今回は見合わせます。来週以降でしたら日程調整可能です。
- チャット：ありがとうございます。家庭の予定で本日は難しそうです。来週水〜木なら空いています。
例文③ 既に別の予定がある場合
- 対面・電話：ありがとうございます。申し訳ありません、先約があり今回は参加できません。次回の機会を楽しみにしております。
- メール：件名：先約があり参加見合わせのご連絡／本文：お声がけ感謝いたします。先約のため本件は失礼いたします。次回はぜひ参加させてください。
- チャット：お誘いありがとうございます。先約があり本日は難しいです。次回ぜひ！
例文④ 金銭的な事情を理由に断る（控えめ）
- 対面・電話：お声がけ嬉しいです。最近少し出費が続いており、今回は控えさせてください。落ち着いたらぜひ伺います。
- メール：件名：お誘いへのお礼／本文：ありがとうございます。個人的事情で節約中のため、今回は見合わせます。次回は参加できるよう調整します。
- チャット：ありがとうございます。私事で節約中のため、今回は失礼させてください。次回ぜひ。
例文⑤ お酒・遅い時間がつらい場合
- 対面・電話：お気遣いありがとうございます。体質的にお酒が弱く、終業後は早めに帰宅しております。ランチでしたらぜひご一緒させてください。
- メール：件名：会食の件／本文：夜は家庭の都合で長時間外出が難しく、今回は見合わせます。代わりにランチをご一緒できれば嬉しいです。
- チャット：ありがとうございます。夜は難しく、ランチなら伺えます。いかがでしょう？
例文⑥ 継続的にお断りしたい（期間宣言）
- 対面・電話：いつもお声がけありがとうございます。私事で当面は業後の外出を控えております。落ち着きましたら改めてお願いいたします。
- メール：件名：会食のお誘いについて／本文：いつもお心遣い感謝いたします。しばらくは終業後の予定を入れない方針のため、当面は見合わせます。再開できる時期になりましたらご連絡します。
- チャット：いつもありがとうございます。当面はアフターの予定が入れられず、しばらく見合わせます。再開時にぜひ！
メール／チャットの書き方
件名テンプレ（ポジティブ表現）
- お誘いへの御礼と当日の件
- 会食のご案内ありがとうございます（参加見合わせのご連絡）
- 〇日のご予定：御礼と日程の再相談
文面のコツ
- 最初の一行で「御礼＋結論」を伝える（忙しい相手に配慮）
- 理由は一文で簡潔に、深掘りされにくい表現にする
- 代替案（別日・別形態＝ランチ・オンライン）を添える
断った後のフォロー術
関係を保つひと言
- 今回は失礼しました。次回は前向きに調整します。
- 皆さま楽しまれたようで何よりです。お話の続きは業務中にぜひ。
仕事で返すフォロー
- 翌営業日に進捗を先回り共有する
- レビューや資料作成を一つ前倒しで出す
「参加できなかった＝やる気がない」印象を防ぎ、信頼を補強できます。
避けたいNG対応
- 未読・既読無視（放置は最悪の印象）
- 断りの直前キャンセルを繰り返す（信頼低下）
- 他人を理由にした虚偽（あとで破綻しやすい）
- きっぱり否定だけで代替案ゼロ（敵意と受け取られやすい）
- 長文の言い訳（論点が増えて突っ込まれる）
迷ったときの判断フロー（テキスト版）
- 業務または家庭の優先予定がある → ある：礼＋結論＋別案／ない：次へ
- 体調・体質・終業後の制約は？ → ある：礼＋結論＋代替形態（ランチ・短時間）／ない：次へ
- 社内の慣例・必要性（歓迎会・送別など） → 必要性が高い：短時間参加で妥協／低い：丁寧に見送り
- 繰り返しの誘いで負担大 → 期間宣言で一定期間見合わせを通知
まとめ｜誠意＋短く具体的＋代替案で穏やかに断る
断り方は「感謝→結論→代替案」が基本。クッション言葉とアサーティブな姿勢で、相手を尊重しつつ自分の境界線を守りましょう。断った後のフォローまで含めて一連の流れとして実行すれば、気まずさを最小限に関係を保てます。迷ったときは本記事の例文をそのまま使えば安心です。
