レシピでよく見るにんじん1本の重さ
にんじんのレシピには「1本」と書かれることが多いです。けれど、家庭での「1本」は大きさがばらばらです。ここでは、だいたいの重さの目安を、やさしい言葉でまとめます。最初に結論です。一般的なスーパーの「中サイズ」のにんじん1本は、およそ150〜180gです。家庭でよく使う平均は、だいたい160g前後と考えると、レシピの計算がしやすくなります。
ただし、にんじんには個体差があります。長さや太さ、芯の太さ、水分量によって重さは変わります。地域や季節でも差が出ます。ですので、ここで示す数値は「目安」です。料理の結果に大きな影響が出ない範囲で使える、便利な基準だと考えてください。
にんじん1本は何g？平均とよくある幅
店頭でよく見かけるサイズを、ざっくり3つに分けます。
- 小（S）：100〜130g
- 中（M）：150〜180g（平均は160g前後）
- 大（L）：200〜250g
この幅は、皮をむく前の重さです。SとLでは2倍以上の差になることもあります。レシピの「1本」は、特に指定がなければ「中」を想定していることが多いです。迷ったら、M1本＝約160gを基準に置き換えると、計算しやすくなります。
皮むき前後・ヘタ除去で何g変わる？（可食部の考え方）
にんじんは、皮を薄くむいたり、ヘタを落としたりすると、食べられる部分（可食部）が少し減ります。一般的には、皮むき前の重さの約90〜95%が可食部になります。つまり、5〜10%ほど軽くなるイメージです。厚くむきすぎると可食部がさらに減ります。ピーラーで薄くむくと、減り方をおさえられます。
下ごしらえで端を少し切り落とすこともありますが、この部分はごくわずかです。細かい重さにこだわりすぎるより、減量率の目安を覚えておくと便利です。
計りがない時の見分け方（長さ・太さ・重み）
キッチンスケールがない場合は、次のような感覚で目安をつけます。
- 長さ：17〜20cmくらいなら中サイズ
- 太さ：いちばん太いところが3.5〜4.5cmなら中サイズ
- 手に持った重み：細長く軽いと小、ずっしり感じると大
売り場のPOPに「S/M/L」や「規格」表示があることもあります。表示がない場合は、同じ袋の中でも太さや長さを見比べると、おおよその大きさがつかめます。
ミニQA：家庭の個体差でどれくらい誤差がある？
にんじんは農産物なので、家庭での実測値には±10〜20%の誤差が出やすいです。レシピが「1本」としか書いていない場合は、M1本＝約160gを基準に考え、少し多い・少ないは味で調整しましょう。煮物なら煮る時間、サラダなら酢や塩の量で微調整できます。
にんじんのサイズによる重量の目安
ここでは、S/M/Lの区分をもう少しくわしく説明します。長さや直径の目安も合わせて、重さとの関係をつかみます。さらに、切り方による「見た目の量」の違い、本数とグラムの換算の考え方を整理します。
小・中・大のサイズ感と重さの目安
一般的な目安は次のとおりです。数値はあくまで目安です。
- 小（S）：長さ15〜17cm、直径3cm前後、重さ100〜130g
- 中（M）：長さ17〜20cm、直径3.5〜4.5cm、重さ150〜180g
- 大（L）：長さ20〜23cm、直径4.5〜6cm、重さ200〜250g
季節や品種によって、長さは短めでも太いことがあります。太いと芯も太くなりやすく、繊維感が出ることがあります。煮込み時間や切り方で食べやすさを調整しましょう。
皮むき前／後・可食部％の早見表
下の表は、皮むき前の重さと、皮むき後（可食部）の重さの目安をまとめたものです。ピーラーで薄くむいた場合を想定しています。
| サイズ | 皮むき前の重さ | 可食部の割合（目安） | 皮むき後の重さ（目安） |
|---|---|---|---|
| 小（S） | 100〜130g | 90〜95% | 90〜124g |
| 中（M） | 150〜180g | 90〜95% | 135〜171g |
| 大（L） | 200〜250g | 90〜95% | 180〜238g |
可食部の割合は、むき方で変わります。厚くむくと数％減ります。気になるときは、薄くむく、またはよく洗って皮ごと使うと、可食部を無駄にしません。
輪切り・千切り・角切り・みじん切りで「見た目の量」はどう変わる？
同じ重さでも、切り方で「かさ」は変わります。
- 薄い輪切り：断面が多くなり、皿に広がるので多く見えます
- 千切り：空気をふくみ、ボリューム感が出ます
- 角切り：密度が高く、同じ重さでも少なく見えます
- みじん切り：全体に行き渡りやすく、少量でも風味が出ます
サラダなど見た目のボリュームがほしい料理では、千切りや薄切りが便利です。煮物やカレーのように形を残したい料理では、角切りや乱切りが向きます。見た目の量は変わっても、グラムは同じです。レシピの「1本」をグラムに置き換えてから、切り方を選ぶと失敗しにくくなります。
本数→グラム、グラム→本数の考え方（基準：M1本＝約160g）
換算の基準を1つ決めると、計算が簡単になります。このガイドでは、Mサイズ1本＝約160gを基準にします。Sは約120g、Lは約220gと考えておくと、ざっくりの置き換えができます。
- S1本 ≒ 120g
- M1本 ≒ 160g
- L1本 ≒ 220g
もちろん、実物に合わせて前後しますが、家庭料理ではこの精度で十分です。
1/2本・1/3本・2本は何g？よく使う換算の考え方
下の表は、よく使う本数表記をグラムに置き換えた例です。M＝160g、S＝120g、L＝220gで計算しています。
| 表記 | S（120g基準） | M（160g基準） | L（220g基準） |
|---|---|---|---|
| 1/4本 | 30g | 40g | 55g |
| 1/3本 | 40g | 53g | 73g |
| 1/2本 | 60g | 80g | 110g |
| 1本 | 120g | 160g | 220g |
| 1.5本 | 180g | 240g | 330g |
| 2本 | 240g | 320g | 440g |
表はあくまで目安です。皮を厚くむいた、端を多めに落とした、などの理由で数g単位の差は出ます。塩や砂糖、酢などの味付けは、混ぜながら少しずつ調整しましょう。
代用のコツ：S2本はM1本の代わりになる？注意点
S2本（120g×2＝約240g）は、M1本（約160g）より多くなります。代用するなら、S1本半（約180g）に近い量が、M1本の置き換えに向きます。袋売りのSサイズが多いときは、切ってから重さを量るか、表の値で目安をとるとよいです。反対に、L1本（約220g）はM1本より多めです。レシピが「M1本想定」なら、L1本を使う場合は、ほかの具材の量や味付けでバランスをとると、仕上がりが安定します。
ミニQA：冷凍・解凍で重さは変わる？
冷凍や解凍で水分の出方は変わりますが、重さそのものは大きく変わりません。解凍後に水けを軽くしぼると、実測は少し減ります。炒め物は水けを飛ばす、煮物はだしを少し足すなど、料理に合わせて調整しましょう。
レシピに適したにんじんの選び方
ここからは、どんな料理に、どんなにんじんが合うかを見ていきます。味や食感、見た目の色を生かす選び方をまとめます。買うときのチェックポイント、保存のコツも合わせて紹介します。
炒め物・煮物・サラダで合うサイズと状態
- 炒め物：中〜小のにんじんが扱いやすいです。火が通りやすい千切りや薄切りが向きます。
- 煮物・カレー：中〜大が安心です。乱切りや角切りで形を残すと、甘みが出て食べごたえがあります。
- サラダ：色をはっきり出したいので、新鮮で張りのあるものを選びます。生で使うなら、香りがよい個体が向きます。
太いにんじんは芯が太めのことがあり、固く感じる場合があります。薄めに切る、面取りをするなど、食べやすい形に整えましょう。
買うときのチェックポイント（色・張り・ヘタ・ひげ根・割れ）
- 色：表面の色が均一で、濃い橙色のものは風味が出やすいです
- 張り：手で触れて固く、しなびていないものがよいです
- ヘタ：カット面がみずみずしく、黒ずみが少ないもの
- ひげ根：あまり多くない方が繊維感が少なく、扱いやすいです
- 割れ：深い割れや傷が多いと、火の通りにムラが出やすいです
葉付きのにんじんは、とても新鮮なサインです。葉は水分を引き上げるので、買ったら早めに切り離すと、根のしなびを防げます。
保存のコツと使い切りの目安（冷蔵・冷凍・下ごしらえ別）
- 冷蔵：新聞紙やキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて野菜室へ。立てて保存すると持ちがよくなります。
- カット保存：切ってから保存する場合は、水けをふいて小分けに。数日で使い切ると風味が保てます。
- 冷凍：千切りや薄切りにして、小分けして冷凍すると便利です。解凍せずにそのまま炒めたり、みそ汁に入れたりできます。
保存中は、見た目の水分や香りが少し変わることがあります。色がくすんだり、香りが弱くなったりしても、十分に火を通せばおいしく食べられます。気になる場合は、香味野菜やスパイスを合わせると、味のバランスがとれます。
ミニQA：水にさらすと重さや風味はどうなる？
短時間なら、重さはほとんど変わりません。長時間さらすと、香りと色が少し抜けます。サラダで生のまま使うなら、さらす時間は短めにし、すぐに水けを切ると、風味が残ります。
