サンタが気になって眠れないのは、よくあること
クリスマス前夜に、子どもがなかなか寝ない。これはめずらしいことではありません。むしろ、楽しみが大きいほど、頭と心が元気になってしまいます。
親としては「早く寝てほしい」「明日もあるのに」と焦りが出やすいですよね。でも、まずは深呼吸して、今の状況を「イベントの日の特別な反応」だと捉えてみてください。
子どもにとってサンタは、ただのプレゼント係ではなく、ワクワクやドキドキをくれる存在です。そんな大きな出来事を前にして、落ち着かないのは自然なことです。
ここで大事なのは、親が「困った」よりも「楽しみにしているんだね」という目線を持つことです。気持ちが少し変わるだけで、声かけのトーンも変わり、子どもも安心しやすくなります。
もちろん、睡眠は大切です。ただ、前夜だけは普段どおりにいかないこともあります。完璧に寝かせようとするより、「今日はできる範囲で整えよう」と考えると気持ちが楽になります。
Q. 何歳くらいまでサンタを信じますか?
子どもによって違います。周りの友だちや、園や学校での会話で変わることもあります。
大切なのは年齢よりも、その子が今どう感じているかです。信じている間は、その気持ちを楽しめるようにそっと支えると、家庭の思い出も増えていきます。
子どもが眠れなくなる理由を、やさしく整理しよう
子どもが眠れない理由は、単に「興奮しているから」だけではありません。いくつかの気持ちが重なって、眠りに入りにくくなります。ここではよくある3つを、やさしく整理します。
1つ目は、プレゼントへの期待です。何が来るかな、開けたらどうなるかな、と考えるだけで胸がいっぱいになります。頭の中で想像が止まらず、布団に入っても気持ちが動き続けます。
2つ目は、サンタに会いたい気持ちです。姿は見えないけれど、もし会えたらうれしい。少しだけでも見てみたい。そう思うと、目を閉じるのがもったいなく感じることがあります。
3つ目は、信じたい気持ちと、確かめたい気持ちが同時にあることです。「本当に来るのかな」「今どうしてるのかな」と、確かめたくなる気持ちが出ると、寝室を出て見に行きたくなることもあります。
これらは、どれも子どもなりに一生けんめい考えている証拠です。親が理由を知っていると、「なんで寝ないの」ではなく、「そういう気持ちなんだね」と受け止めやすくなります。
Q. ワクワクが強い子ほど眠れないの?
ワクワクが強い子は、たしかに眠りに入りにくいことがあります。楽しいことを思い浮かべると、体も心も起きたままになりやすいからです。
ただ、同じくらいワクワクしていても、すっと寝る子もいます。性格、体力、その日の疲れ方、生活リズムなどが重なるためです。
「寝ないとサンタ来ないよ」を使わない言い方
「寝ないとサンタ来ないよ」と言うと、子どもは寝るかもしれません。でも、心の中では不安が大きくなることがあります。
子どもは「来ないかもしれない」という怖さを感じると、安心できず、かえって眠れなくなることがあります。泣いたり、何度も確認したり、急に怒ったりするのは、気持ちが落ち着かないサインかもしれません。
それよりも、安心につながる言い方に変える方が、結果的に寝やすくなることが多いです。たとえば次のような言い方です。
- 「サンタさん、静かなところが好きなんだって。お部屋が静かになると来やすいよ」
- 「寝ている間にそっと置いていくみたい。朝が楽しみだね」
- 「今日は体を休める日だよ。目を閉じて、プレゼントの夢を見よう」
ポイントは、脅さずに、安心と期待を一緒に届けることです。子どもが「大丈夫なんだ」と感じるほど、体の力が抜けやすくなります。
また、親が焦るほど、子どもは敏感に感じ取ります。声が強くなったり、動きがバタバタしたりすると、「何か大変なことが起きている」と思い、余計に目がさえてしまうことがあります。
親の心を整えるために、短い合言葉を用意しておくのもおすすめです。たとえば「ゆっくりでいい」「今日は特別」など、頭の中で唱えるだけでも、声かけが穏やかになります。
子どもには、親の本音も少しだけ伝えて構いません。「ママ(パパ)も明日元気でいたいから、一緒に休もうね」と言うと、命令ではなく協力の形になります。
Q. つい言ってしまった時はどうする?
言ってしまったあとに、すぐ取り消そうとして長く説明すると、話が大きくなってしまうことがあります。
短くやさしく言い直すのがコツです。たとえば「ごめんね、言い方が強かったね。サンタさんはきっと来るよ。静かにして待とうね」と、安心する言葉で上書きします。
その後は、いつもより少しゆっくり呼吸して、子どもの背中をなでるなど、落ち着く行動につなげると戻りやすいです。
今夜からできる寝かしつけの工夫
ここからは、今夜すぐに試せる工夫をまとめます。すべてやろうとせず、家庭に合うものをいくつか選ぶだけで十分です。
まずは寝室の環境です。部屋が明るい、音がする、暑い寒いなどがあると、ワクワクしている日はさらに眠りづらくなります。
- 明かりは少し暗めにする(真っ暗が怖い子は小さな明かり)
- 音はできるだけ静かにする(テレビやスマホの音は控える)
- 室温と布団を整える(暑すぎ・寒すぎを避ける)
次に、プレゼントを置く場所の工夫です。置く場所が気になると、何度も見に行きたくなることがあります。
たとえば、子どもの動線から少し離れた場所に置く、または朝まで見えない場所にするなど、家庭の状況に合わせて決めます。朝の楽しみが大きいほど、夜の「見たい」が強くなることもあるので、置き場所は意外と大きなポイントです。
そして、親の姿勢も大切です。親が先に寝るフリをしたり、「今日は一緒に目を閉じよう」と同じ方向を向いて横になったりすると、子どもも安心しやすくなります。
子どもが話したがる時は、無理に止めるより、短い時間だけ受け止めて区切りを作る方が効果的です。たとえば「サンタさんに会えたら何て言う?」を1つだけ聞いて、「じゃあ続きは朝に教えてね」と締めます。
また、寝かしつけのタイミングを見極めることも大事です。夜更かしさせたいわけではありませんが、眠気がないのに布団に入ると、余計に長引きます。
いつもより少し早めに入浴を済ませる、寝る前の動きをゆっくりにする、刺激の強い遊びを控えるなど、眠りに入りやすい流れを作ります。
最後に、小さな習慣です。特別な夜でも、いつもの合図があると体が落ち着きやすいです。
- 寝る前に同じ絵本を1冊読む
- 照明を落としたら小さな声で話す
- 深呼吸を3回してから目を閉じる
- 「おやすみの言葉」を毎回同じにする
どれも派手な方法ではありませんが、積み重ねが安心につながります。
以下に、工夫を表にまとめます。
| 工夫 | ねらい | やり方の例 |
|---|---|---|
| 寝室を暗め・静かにする | 刺激を減らして落ち着く | 明かりを小さく、テレビやスマホは消す |
| 置き場所を決める | 見に行きたくなる回数を減らす | 朝まで見えない場所、動線から外す |
| 親も一緒に休む姿勢 | 子どもが安心する | 同じ方向を向いて横になる、背中をなでる |
| 話を短く受け止めて区切る | 気持ちを出して落ち着く | 1つだけ聞いて「続きは朝」 |
| 小さな習慣を使う | いつもの合図で眠りに近づく | 絵本1冊、深呼吸3回、同じおやすみ |
Q. 寝かしつけのタイミングはいつがいい?
眠気が来ている時に布団に入ると、スムーズになりやすいです。目が冴えているのに「寝なさい」と言われると、子どもは体も心も抵抗しやすくなります。
いつもより少し早めにお風呂、少し早めに部屋を暗くするなど、眠りの準備を前倒しにしておくと、結果として寝る時間は遅れにくくなります。
夜中に起きる・見に行きたくなる子への対応
サンタが気になって、夜中に何度も起きる子もいます。これは親にとって大変ですが、子どもにとっては「確かめたい気持ち」が強いだけのこともあります。
まず、起きた時の対応は短くします。長く話すほど目が覚めやすいからです。声も小さめ、部屋も暗めを保ちます。
声かけの例は次のようなものです。
- 「大丈夫だよ。まだ夜だよ。目を閉じよう」
- 「静かにして待とうね。朝が楽しみだね」
- 「トイレ行ったら、すぐ戻って一緒に横になろう」
次に、ルールをシンプルに決めます。たとえば「寝室から出るのはトイレだけ」「廊下は暗いから一人で行かない」など、安全も含めて家のルールにします。
また、親が消耗しない回し方も大事です。夜中に何度も起こされると、親もイライラしやすくなります。イライラが強いと、子どもも不安になり、起きる回数が増えることがあります。
できる範囲で、親の負担を減らす工夫も考えます。たとえば、寝る前にトイレを済ませる、寝室に水を少し置く、必要なら親が先に横になって体を休めるなどです。
家庭によっては「再配達票」や「手紙」を使う工夫をする人もいます。たとえば「今日は混んでいて、朝に届けるね」という内容を用意しておく方法です。ただ、子どもが不安になりやすい場合は、使い方に注意が必要です。
子どもが「見に行きたい」と言った時は、強く止めるより、代わりの行動を渡すと落ち着くことがあります。たとえば「見に行く代わりに、耳をすましてみよう」「目を閉じてサンタの足音を想像しよう」など、気持ちの行き先を変えます。
Q. 夜中に起きたら、プレゼントはどうする?
家庭の安全と、親の負担の少なさを優先して決めるのがよいです。
夜中に起きる可能性が高い場合は、朝まで見えない場所にしておくと、親も落ち着きやすいです。逆に、どうしても確認してしまう場合は、見ても分かりにくい形(袋や箱に入れる)にしておくなど、見てしまっても興奮が強くならない工夫もあります。
サンタを信じる気持ちを守るために、親が大切にしたいこと
サンタを信じる気持ちは、子どもにとって特別な体験です。信じることで、期待して待つ楽しさや、人からもらう喜びを感じます。
ここで大切なのは、親の考えを子どもに押し付けすぎないことです。「信じなさい」「もう信じないで」と決めつけると、子どもは自分の気持ちをしまい込みやすくなります。
子どもの中には、信じたいけれど、周りの話で揺れている子もいます。そんな時は、答えを急がず、今の気持ちを聞くことが助けになります。
たとえば「信じていたい?」と聞くより、「どんなところが好き?」と聞く方が、子どもは安心して話しやすいです。話すうちに落ち着き、寝る方向に気持ちが向くこともあります。
また、信じる心は思いやりの始まりにもつながります。プレゼントをもらう側だけでなく、「誰かを喜ばせたい」という気持ちが育つことがあります。
「サンタさんもきっと忙しいね」「来てくれるだけでうれしいね」といった言葉は、相手を想像する練習になります。寝かしつけの場面でも、子どもが自分の気持ちだけに飲み込まれにくくなります。
親が大切にしたいのは、うまくやることより、穏やかな空気です。笑顔でいられない日があっても構いません。できる範囲で、子どもが安心できる言葉を選び、親も休める形を作ることが、結果として「信じる気持ち」を守ることにつながります。
Q. 「本当のこと」を聞かれたらどう答える?
子どもが急に「サンタって本当は?」と聞くことがあります。答え方に正解が一つあるわけではなく、家庭の考え方や子どもの性格によって合う形が違います。
迷った時は、まず質問の気持ちを確かめるのが一つの方法です。「どうしてそう思ったの?」「今はどう感じてる?」と聞くと、子どもが求めているのが事実の確認なのか、安心なのかが見えてきます。
その上で、子どもが安心できる言葉を選びます。今夜の寝かしつけという場面では、議論を長くしないことも大切です。「朝になったらまた話そうね」と区切るだけでも、眠りに向かいやすくなります。

